「SDGsへの取り組みを発信したいが、どう見せればいいかわからない」
公共工事の入札要件・元請けからの要請・採用活動での訴求—— さまざまな文脈で、建設会社がSDGsやカーボンニュートラルへの対応を 「見える化」する必要性が高まっています。
一方で、「何をどこまで書けばいいか」「誇張にならないか」 「実態と乖離しないか」という不安から、発信に踏み切れていない企業も多くあります。 本記事では、実態に即した誠実な発信を前提として、 会社案内・カタログにおけるSDGs・カーボンニュートラルの デザイン的な落とし込み方を解説します。
「ただアイコンを並べる」だけでは意味がない
SDGsの17のカラフルなアイコンを会社案内に貼り付けるだけでは、 発注者・求職者・取引先には何も伝わりません。 「自社の事業がどのゴールとどのように関係するか」を 具体的に示すことが必要です。
たとえば、建設業であれば—— 安全な現場環境の整備(ゴール3・8)、 省エネ施工機材の活用(ゴール7・13)、 技術承継による地域雇用の維持(ゴール8・11)—— といった形で、自社の取り組みと具体的なゴールを結びつけることができます。
カーボンニュートラルの「見せ方」3つのアプローチ
① 数値で示す
「環境に配慮した施工をしています」という言葉より、 「重機の稼働時間を〇〇時間削減」「CO₂排出量を前年比〇〇%低減」のように 数値で示す方が、発注者には説得力があります。 正確な数値を持っていない場合は、無理に数値化せず、 取り組みの内容を具体的に記述する方が誠実です。
② プロセスをフロー図で見せる
施工前・施工中・施工後の各フェーズで どんな環境配慮を行っているかをフロー図で示すことで、 「取り組みの体系」が伝わります。 一つひとつは小さな対応でも、フローとして整理することで 「システムとして環境管理をしている会社」という印象を与えられます。
③ 認証・資格を明示する
ISO14001・エコアクション21・グリーン経営認証など、 第三者機関による認証は、自己申告より高い信頼性を持ちます。 取得済みの認証があれば、会社案内の中で目立つ位置に明示することを推奨します。 取得を検討中の場合は、認証取得のプロセスそのものを 「取り組み中」として誠実に発信することも選択肢です。
発信する際の注意点
SDGsやカーボンニュートラルに関する発信は、 実態を伴わない「グリーンウォッシング」と判断されるリスクがあります。 会社案内での発信においても、実際に取り組んでいること・ 数値の根拠・今後の目標を明確にすることが、 誠実な発信として受け取られる条件です。
大げさな表現や、実態と乖離した目標の掲載は、 発注者・取引先からの信頼を損なう可能性があります。 「現在できていること」を正確に伝えることが、長期的な信頼構築につながります。
川口デザイン事務所では、建設・土木業界の会社案内において SDGs・環境取り組みのページ設計・図解化を手がけています。 「どこまで書くか・どう見せるか」という判断の部分からご相談ください。
川口 伸二
川口デザイン事務所 代表 / グラフィックデザイナー
建設・土木・住宅分野のBtoBデザインに特化した専門家。埼玉県本庄市を拠点に、会社案内や製品カタログ、映像制作、安全教育教材の制作を行う。「デザインは貴社の顔であり、24時間働く営業担当者である」という信念のもと、単なる装飾ではない、落札率や成約率に直結する「勝てるツール」を提案。現場の仕様や業界特有の商習慣を理解し、泥臭くも成果の出る"唯一無二"の設計に重きをおいている。