「工事のことは説明しているのに、なぜ苦情が来るのか」
公共工事では、着工前に住民説明会を開き、掲示物を貼り、チラシを配布します。 それでも「聞いていない」「わからない」という声が届く—— この問題の多くは、情報量ではなく「伝え方」に原因があります。
複雑な工法・交通規制・迂回路の変更—— これらを文字と数字だけで説明しても、 一般の方には「難しそう」という印象しか残りません。 インフォグラフィック(図解)を活用することで、 同じ情報が「わかりやすい・丁寧な会社だ」という印象に変わります。
「文字だらけのパネル」が引き起こすこと
A1判のパネルにびっしりと文字が並んだ説明掲示物は、 読む気を失わせます。 読まれなかった情報は「伝わっていない」と同じです。 さらに、読む気がしないパネルは「住民をないがしろにしている」 という印象を与えることがあります。
苦情の発生源の多くは「情報の不足」よりも「理解の不足」です。 情報をいくら増やしても、理解されなければ苦情は減りません。
住民理解を深めるパネル制作の3原則
原則① 「全体像」を最初に見せる
工事の影響範囲・期間・規制の変化を、 まず地図・俯瞰図・工程バーで「全体像」として示します。 人は全体が見えると、細部の説明を受け入れやすくなります。 「いつ・どこで・何が変わるか」を冒頭で示すことが、 理解の入口をつくります。
原則② 「変化」を図解で見せる
交通規制・迂回路・通行止めの区間は、 テキストより地図・矢印・色分けで示す方が圧倒的に伝わります。 「現在」と「工事中」の比較図を並べることで、 住民は「自分の生活にどう影響するか」を直感的に把握できます。
特に高齢者・外国人・子どもなど、文章の読解に負荷がかかる方にとって、 図解は言語の壁を超える有効な手段です。
原則③ 「問い合わせ先」を目立たせる
疑問・不安を感じた住民が次に取る行動は、 「担当者に聞く」か「SNSに書く」かのどちらかです。 問い合わせ先を目立つ位置・大きな文字で示すことで、 不満がSNSに流れる前に直接対話の機会を作れます。 「気軽に聞ける雰囲気」を作ることも、パネルデザインの役割です。
「ビフォー・アフター」で見る図解の効果
| 項目 | 文字中心のパネル | 図解中心のパネル |
|---|---|---|
| 読了率 | 低い(読む気がしない) | 高い(見てわかる) |
| 理解度 | 個人差が大きい | 均一に伝わりやすい |
| 苦情発生 | 「聞いていない」が出やすい | 事前理解でクレーム減 |
| 企業イメージ | 「お役所的」に見える | 「丁寧な会社」に見える |
多言語対応・研修用途への展開
説明パネルは、住民向けだけでなく、 現場に入る作業員・外国人労働者・関係者向けの 安全教育・手順説明にも転用できます。 川口デザイン事務所では、高速道路会社向けに 日英併記の研修用説明パネルを制作した実績があります。 1つの原稿から多言語・多用途に展開する設計も対応可能です。
川口デザイン事務所では、高速道路会社・公共工事向けの 説明パネル・掲示物のインフォグラフィック制作を手がけています。 「文字ばかりで伝わっていない」「住民への説明資料を一新したい」 というご相談をお待ちしています。
川口 伸二
川口デザイン事務所 代表 / グラフィックデザイナー
建設・土木・住宅分野のBtoBデザインに特化した専門家。埼玉県本庄市を拠点に、会社案内や製品カタログ、映像制作、安全教育教材の制作を行う。「デザインは貴社の顔であり、24時間働く営業担当者である」という信念のもと、単なる装飾ではない、落札率や成約率に直結する「勝てるツール」を提案。現場の仕様や業界特有の商習慣を理解し、泥臭くも成果の出る"唯一無二"の設計に重きをおいている。