「実物がないと撮影できない」——製品カタログ制作の、よくある壁
製品カタログを作ろうとしたとき、最初にぶつかる問題があります。 「まだ実物がない」「試作品は汚れていて撮影に使えない」「分解しないと見えない部分がある」—— こうした状況は、製造業の制作現場では珍しくありません。
そのような場面で力を発揮するのが、3DCGによるビジュアル制作です。 実物がなくても、設計データ(3DCADデータ)や図面があれば、 製品の外観・内部構造・動作イメージをリアルに表現することができます。
3DCGが特に有効な5つの場面
場面① 設計段階でのプレゼンテーション用パンフレット
新製品の開発が進んでいる段階で、見込み客へのプレゼンや展示会出展が決まることがあります。 しかし実物はまだない、試作品は見せられる状態ではない——こういう場面でも、 3DCGパースを使えば、説得力のあるビジュアルのパンフレットを制作することが可能です。
「実物ができてからカタログを作る」という従来の順序を変え、 開発と並行して販促物の準備を進められることが、3DCGの大きなメリットです。
場面② 社内決裁用の資料づくり
お客様ごとの特注品・カスタム品を受注する業態では、 顧客の社内で購買担当者から上長への説明・決裁が必要になるケースが少なくありません。
このとき、担当者が手書きのスケッチや仕様書だけで社内説明をしようとすると、 決裁者(製品の専門知識がない場合が多い)に内容が伝わらず、承認が遅れることがあります。 3DCGで製品のビジュアルを用意しておけば、担当者が社内で 「これが完成するとこういう製品になります」と説明しやすくなり、 決裁のスピードアップにもつながります。
場面③ 内部構造や動作メカニズムの説明
製品の価値が「外見では分からない内部構造」にある場合、 実物写真だけでは技術力が伝わりません。 3DCGであれば、ケースや外装を取り除いたカットモデル、 あるいは内部が透けて見えるXレイビュー(透過表示)など、 カメラでは絶対に撮れない角度・状態のビジュアルを作成できます。
「この製品がなぜ優れているのか」を構造レベルで見せることで、 技術的な差別化を視覚的に訴求することができます。
場面④ 展示会・見本市での展示ツール
実機を会場に持ち込むことが困難な大型機械・重機・特殊車両などでは、 3DCGを使ったパネルや映像が展示ツールとして機能します。 あらゆる角度から製品を見せることができ、 動作イメージをアニメーションで表現することも可能です。
また、複数バリエーション(カラー・オプション仕様など)を 実物コストなしで用意できる点も、展示会活用での強みです。
場面⑤ 海外向け・多言語対応の製品資料
実物撮影の写真は、国内仕様の製品で撮ると海外仕様との差異が生じることがあります。 3DCGであればデータを変更するだけで仕様違いのビジュアルに対応でき、 テキストの多言語化と合わせて、グローバル展開する製品資料の制作コストを抑えることができます。
「写真より3CGの方が安くなる」こともある
3DCGと聞くと「コストが高い」と思われがちですが、 場合によっては実物撮影より経済的な選択肢になることがあります。
実物撮影では、その規模により、 被写体の搬送・セッティング・スタジオ費・カメラマン費用などがかかる場合があります。 大型機械・重機・特殊車両の場合、これらのコストは決して小さくありません。 一方、3DCGは3DCADデータを素材として制作するため、 製品の物理的なサイズに費用が左右されないというメリットがあります。 また、一度作成したCGデータは、色変え・仕様変更・アングル追加などに使い回せるため、 長期的なコスト効率の面でも検討する価値があります。
3DCADデータがない場合はどうなるか
3DCGの制作には、3DCADデータ(STL・STEPなど一般的な形式)があるとコストを圧縮できます。 しかし、CADデータがない場合でも、 実物サンプルや寸法図をもとに3Dモデルをゼロから作成することは可能です。 この場合は制作期間と費用が増えるため、まずはご相談ください。
まとめ:3DCGは「実物がなくても伝えられる」制作ツール
製品カタログ・販促パンフレットにおける3DCGの最大の価値は、 「実物がない段階でも、完成品のビジュアルで伝えられる」という点にあります。
開発中の製品プレゼン、特注品の社内決裁用資料、内部構造の可視化、展示会ツール—— これらのいずれかに心当たりがある場合は、一度ご相談いただければと思います。
川口デザイン事務所では、高所作業車・架装車両・製造機器などの3DCGパースを使った 製品カタログ・プレゼン資料の制作を手がけてきました。 3DCADデータをお持ちの場合はもちろん、「データがないが相談したい」という段階でも お気軽にご連絡ください。
川口 伸二
川口デザイン事務所 代表 / グラフィックデザイナー
建設・土木・住宅分野のBtoBデザインに特化した専門家。埼玉県本庄市を拠点に、会社案内や製品カタログ、映像制作、安全教育教材の制作を行う。「デザインは貴社の顔であり、24時間働く営業担当者である」という信念のもと、単なる装飾ではない、落札率や成約率に直結する「勝てるツール」を提案。現場の仕様や業界特有の商習慣を理解し、泥臭くも成果の出る"唯一無二"の設計に重きをおいている。