「いい仕事をしているのに、コンペで負ける」——その差はどこにあるのか
技術力も実績も申し分ない。しかし、コンペや企画提案では競合に後れを取る—— こんな経験を持つ建設業の経営者・営業担当者は少なくありません。
コンペで評価されるのは、技術力そのものではなく 「技術力が伝わったかどうか」です。 どれだけ優れた施工能力があっても、資料の見せ方が弱ければ 発注者には伝わりません。 コンペ資料・パンフレットの設計は、受注を左右する戦略的な作業です。
発注者は何をどう評価しているのか
公共工事のコンペや総合評価落札方式では、評価項目が事前に開示されています。 「施工実績」「安全管理体制」「地域貢献」「技術提案」—— これらの項目に対して、自社の情報をどれだけ明確に対応させられるかが 評価点に直結します。
多くの会社が犯すミスは、会社の都合で情報を並べることです。 発注者が評価シートを埋めながら読む、という視点で資料を設計することで、 評価者の作業が楽になり、高評価につながりやすくなります。
コンペ資料設計の3つの原則
原則① 評価項目ごとに「証拠」を用意する
「安全管理を徹底しています」という主張だけでは評価されません。 評価項目に対して、数字・写真・図解・第三者認証などの証拠を セットで提示することが必要です。 例えば「安全管理体制」の評価項目に対して、 KY活動の実施回数・ヒヤリハット件数の推移・安全表彰の実績を グラフと写真で示すことで、言葉ではなく事実で証明できます。
原則② 「読む資料」ではなく「見る資料」にする
コンペの審査では、複数社の資料を短時間で比較します。 文章が多く、情報が詰め込まれた資料は、読む気を失わせます。 図解・アイコン・インフォグラフィックを活用して、 一目で要点が伝わる構成にすることが重要です。 特に「この会社は何が得意か」が表紙や1ページ目で伝わる設計が理想です。
原則③ 「技術提案」は課題解決のストーリーで見せる
技術提案書では、発注者の課題に対してどんな技術・手順・体制で解決するかを ストーリーとして見せることが効果的です。 「問題の認識→解決策の提示→実施体制→実績による裏付け」という流れで構成することで、 発注者は「この会社は現場をわかっている」と感じます。
パンフレットとコンペ資料、使い分けのポイント
会社案内(パンフレット)とコンペ専用資料は、目的が異なります。 パンフレットは「会社全体の信頼感を伝える」もの、 コンペ資料は「この案件に対する提案を評価してもらう」ものです。
理想的なのは、共通の会社情報をパンフレットで補完し、 案件固有の技術提案をコンペ資料に集中させるという構成です。 パンフレットが充実していれば、コンペ資料はより薄く・鋭くできます。
川口デザイン事務所では、建設・土木業界の営業資料・プレゼン資料・会社案内の 設計からデザイン・印刷まで一貫して対応しています。 「どう見せれば発注者に伝わるか」という構成の部分からご一緒します。 お気軽にご相談ください。
川口 伸二
川口デザイン事務所 代表 / グラフィックデザイナー
建設・土木・住宅分野のBtoBデザインに特化した専門家。埼玉県本庄市を拠点に、会社案内や製品カタログ、映像制作、安全教育教材の制作を行う。「デザインは貴社の顔であり、24時間働く営業担当者である」という信念のもと、単なる装飾ではない、落札率や成約率に直結する「勝てるツール」を提案。現場の仕様や業界特有の商習慣を理解し、泥臭くも成果の出る"唯一無二"の設計に重きをおいている。